《「勉強会」便り》4
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設問7から設問9は、神の啓示がキリストに於いて完成される段階を説明したものだが、所謂旧約時代の啓示が二つの段階にわけて説明されている(設問7,8)。このことに関連して、ある神父から聞いた話として、次のような話の紹介があった。「旧約聖書は二つの部分に分けることができる。どこで分けるかと言えば旧約聖書冒頭の創世記の1章1節から11章9節までと、それ以外の部分(創世記11:10以降の旧約聖書全体)である。つまり創世記11;9までは、人類と天地創造の話に始まって、人類全体に関する啓示が教えられているのに対し、創世記11:10以降はアブラハムを祖とするユダヤの民に関する話となっている。」
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「信仰の遺産」は英文ではthe deposit of
faithになっている。「カテキズム」では「信仰の遺産」と訳されているが、depositの意味は、日本語の「遺産」という言葉から受けるイメージとはかなり違うのではないかという議論がなされた。「遺産」はどうしても過ぎ去ったものという感じが強いが、depositは現在も使用している保管所、倉庫という意味である。参加者の一人からdepositには「鉱床」という意味もあるという指摘もあったが、これはdepositの意味を理解するのに参考になると思う。The
deposit of faithは設問14で「(聖書と聖伝は)同じ神の泉から湧き出るもので、教会がそこから確かな啓示を引き出す聖なるthe
deposit of
faith(信仰の遺産)を共に形成します。」というふうに使われている。「信仰の遺産」は現在も生きていることを正しく認識しておかねばならい。
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